2017年10月16日

目の前の危機


時節柄、北朝鮮危機に触れないわけにはいかないだろう。
これまでの新聞・雑誌による報道や識者のコメントを要約すると、次のようになる。

アメリカは、北朝鮮がICBMを保有し、自分たちへの脅迫に使ったり、いつ暴発するかもしれない状況を放置することはありえない。トランプ政権において、それはもう議論の余地のない確定事項だ。
北朝鮮にしても、核の保有は何十年にも及ぶ金一族の悲願であり、敵対する米国と渡り合うためには必要不可欠な武力と考えている。そう信じているのだから、いくら「核を捨てて経済発展を目指そう」と言っても意味はない。そもそも、今さら核を手放すようなことをすれば、金正恩は取り巻きの軍人から弱腰と見られて、自らの地位=命が危なくなる。ウルトラCは、アメリカとの戦争がいよいよ避けられなくなったとき、何もかも捨ててロシアに亡命することだが、現段階では時期尚早の穿った見方だろう。

従って、今問題なのは、両国が戦争するかどうかではなく、いつ、どのようにして始まり、どのように終わるか、である。最終的に勝つのがアメリカであることは、北朝鮮ですらわかっている。彼らにとっては、その間にアメリカおよび同盟国である日本と韓国にどれだけ打撃を与えられるかが問題だ。

戦争が起きる時期は、常識的に考えれば、トランプ大統領が日本、韓国、中国を訪問する11月以降の、あまり遅くない時期になるだろう。つまり、12月か1月。
どちらが先制攻撃をするかはわからない。北朝鮮が威嚇のためにミサイルを発射したことがきっかけになるかもしれない。地上戦ではなくミサイルの打ち合いになるだろうから、戦争の期間は、最短で1日、長くても数日で終わるだろう。ただし、地上のミサイル基地が全滅しても、潜水艦によるミサイル攻撃の可能性はかなり後まで残る。いずれにしても、戦争が1日でも長引くほど、アメリカと同盟国のリスクは高まる。問題は核ミサイルが使われるかどうかだが、自らが滅ぼうとしているとき、せっかく持っている核ミサイルを使わないと考えるほうがおかしい。

そうなったとき日本はどうなるのか。アメリカが戦争を決断したということは、日本や韓国に被害が出ることを覚悟したと考えるべきだ。ミサイルが飛んできたら撃ち落とせばいいと考えている人がいたとしたら、かなりおめでたい。あれは国民へのエクスキューズであって、ほとんど役に立たないことは軍事専門家なら誰でも知っている。
結局、日本の安全は、アメリカ軍による最初のミサイル攻撃で潜水艦を含む北朝鮮の核ミサイル基地の「すべて」を叩くか、サイバー攻撃など何らかの方法で無力化できるかどうかにかかっている。しかし、それらを完璧に実行するのは無理だろう。つまり我々日本人は、いよいよ、飛来するミサイルからどうやって身を守るかを真剣に考える時期に来ているということだ。

以上のことから、もはや米朝戦争は避けられないと私は考えている。だから、今般の選挙では、そのことを最優先で訴える政党に票を入れようと思っていたのだが、どこの党も、この問題を自衛隊や改憲問題にすり替えてしまって、目の前にある危機から意識的に目をそらせている。
例えば、核ミサイルではなくても通常ミサイルを原発に撃ち込まれたり、敵国の工作員が強力な爆弾を抱えて原発に攻撃を仕掛けたらどうなるか。それを考えれば、今すぐ自衛隊を投入して守りを固める必要があるのに、誰もそのことに注意を払わない。多くの人は、何の根拠もなく、そんなことは起こらないとでも思っているのだろう。

ユリウス・カエサル(シーザー)は、「人というのは、見たいと思うものしか見ようとしない」と言った。2000年前のその言葉を、無力感とともに噛みしめている。


posted by ギャンブラー at 23:34| Comment(4) | 口は災いのもと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする